外壁塗装に足場は必須？その理由を塗装のプロが徹底解説！

皆様も一度は目にしたことがあるかもしれませんが、外壁塗装を行う際に足場を設置し、その上で職人が施工を行います。
中には「足場じゃなくハシゴや脚立を使えば、その分足場代が不要になるんじゃないの？」と思われる方もいらっしゃいます。
しかし、外壁塗装において足場は必須の設備であり、足場無しで施工することは基本的にありません。
なぜ外壁塗装で足場は必須なのか、塗装のプロである大楠が徹底解説します。

外壁塗装で足場が必要となる理由とは？

まずお伝えしたいのは、足場を設置せずハシゴや脚立などで代用し塗装工事を行うということは、優良業者になればなるほど行いません。
もちろん一階の平屋建ての鉄部や付帯部など部分的な塗装を行う場合はハシゴを使うことはあります。
しかし、二階以上の戸建ての外壁塗装では、足場を設置せずに作業するということは基本的にありえません。

近隣の建物との間に足場を設置できる余裕が無く、足場設置が困難な場合には、ロープやブランコなどを駆使して足場無しで施工する「無足場工法」と呼ばれる工法を選択しなければならないケースもあるにはあります。
しかし、それは足場が設置できない場合の工法で、あくまでも足場設置の代替案なのです。

なぜ外壁塗装に足場が必要なのか？
それは、次のような理由があるからです。

実際に施工する塗装職人の安全確保

足場設置の一番の目的はこの理由です。
二階以上の戸建ての外壁塗装では、ほとんどの場合で高所作業となり、少しのミスが大事故に繋がりかねません。
ハシゴや脚立など足元が不安定な上での作業は常に転倒や落下のリスクがつきまとう上、塗料や道具の落下は近くを通行している通行人の身にも危険をもたらします。
足場があることで、どんな高さであってもしっかりと足元の安全が確保され、塗装職人の転倒や落下といった事故を防ぎ、塗料や道具の落下事故も防ぐのです。
つまり、足場は塗装職人だけでなく、施主様やそのご家族、さらには通行人の安全を確保するためのものと言えますね。

塗装工事の仕上がりに直結する

これはイメージしてもらうとわかりやすいかもしれませんが、例えばハシゴで施工を行い、ハシゴの一番上で腕を目一杯伸ばしてギリギリ届く箇所を塗装する場合を考えてみましょう。
足元も不安定なのに腕を目一杯伸ばした状態ではローラーをしっかりと握ることもできませんし、均一にムラなく塗装することは難しいでしょう。
さらにハシゴや脚立だと、少し塗っては降りて移動して〜を繰り返すので、作業効率も決してよくありません。
足場を設置して足元を確保することは、ハケやローラーを使用する際にも手元が狂いにくく、常に職人が手元で作業できるようになるため、そのまま仕上がりの品質に直結するのです。

ごく稀に、「当社は無足場工法なので、塗装費用がお得！」といったように、足場を使わず安さを売りにしたような塗装業者を見かけます。
上述のように、塗装箇所が一階部分の部分的な塗装なら大丈夫かもしれませんが、二階以上の戸建ての外壁塗装ではそのような業者は避けた方が良いでしょう。
なぜなら、足場を設置しないということは、大楠塗装のようなしっかり確実な施工を行っている業者からすれば、「安い分だけ仕上がりも良くないですよ」と業者自身が明言しているようなものだからです。
これも上述でご説明しましたが、無足場工法は足場が設置できない場合の工法で、あくまでも足場設置の代替案です。
足場を設置できる環境なのに費用を抑えるためだけに無足場工法をすすめてくるような塗装業者は、仕上がり品質を考えると依頼しない方が賢明と言っていいでしょう。

近隣の方々・通行人への配慮

足場を設置すると、その鉄骨部分を利用して足場に「飛散防止ネット（養生シート）」を取り付けます。
これは、どれだけ注意を払っても強風などによって起こってしまう塗料の飛散、高圧洗浄時の汚水の飛散を防止するためのものです。
どれだけ綺麗な仕上がりの外壁塗装ができたとしても、近隣の方々との間にトラブルが発生してしまっては満足のいく塗装工事とは決してなりません。
足場を設置するということは、塗装の仕上がりだけでなく、近隣の方々・通行人への配慮という点からも非常に重要なものなのです。

外壁塗装における足場費用と業者選びの注意点

前項までで、外壁塗装における足場の重要性についてお伝えしました。
それでは次に足場設置にはどれくらいの費用がかかるのか具体的に見ていきましょう。

足場の設置費用は全国平均で700～1,000円/1㎡です
単価だけ見ても費用感が掴めないと思いますので、坪数別に足場の費用相場を見ていきましょう。
ここでは足場の単価は全国平均の中の中間、800円で計算しています。

25坪(83㎡)：13～15万円
30坪(99㎡)：15～16.5万円
35坪(116㎡)：16.5～17.5万円
40坪(132㎡)：17.5～19万円
45坪(149㎡)：19～20万円
50坪(165㎡)：20～22万円

日本の戸建て住宅の坪数は平均で30〜35坪とされているので、足場にはやはり15〜20万円程度の費用が必要になるのがわかります。
外壁塗装の費用総額が80〜100万円だとすると、およそ2〜3割が足場費用で占められているという訳です。
そのため、「今だけ足場費用が無料！」といった謳い文句を出している塗装業者が魅力的に見えてしまいます。
しかし、本当にしっかりした塗装工事をしようとすると足場は必要な設備なので、優良業者になればなるほど足場を無料にすることはありません。

塗料などのように目に見えて必要な設備ではないので一般の方には伝わりにくい部分もありますが、適正で確実な塗装工事には足場は必須です。
たしかに安くはない費用がかかってしまいますが、塗装工事に足場は必要なものと認識して、足場無料を謳う安さだけを追求した悪徳業者に騙されないようにしてください。